"番犬は庭を守る" / 岩井俊二(2012年)
これはたぶん映画化されていない作品。
原発事故によって、放射能汚染された世界。そして、そのせいで世界は荒廃し、さらに放射能汚染事故が頻発している世界。金持ちは安全な場所に住み、臓器移植をバンバンやって健康を維持し、貧困層は放射能汚染された場所に住み、働く。生殖機能が劣化し、子どもはすごく貴重。高額な給付金がもらえることから、人工授精や精子バンクやクローン技術などのビジネスが注目される世界。
主人公は貧困層側の人間。生殖機能が未発達であり、この歪んだ世界を何とか生きていこうと頑張るお話。
単純に物語としては、この独特の世界観や登場人物たちが魅力的でおもしろい。岩井ワールド。
でも、この作品はたぶん東日本大震災を受けての原発へのメッセージ。簡単に言えることはないけど、もし原発が爆発し、大規模な放射能汚染が発生して、かなり悪い方向へ進んで行ったら、こんな世界もあり得るんじゃない?と、思わせられる。
これで一区切りの岩井俊二病
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