"聲の形" 2016年 / 日本
聴覚障がい者(西宮硝子)を中心としたアニメ映画。小学高時代に、転校してきた西宮を無邪気にいじめる石田将也が主人公。これがクラスで問題となり、犯人として石田が特定される。ただ、いっしょにいじめていた(と、石田が思っていた)友達たちは、手のひらを返し、石田だけが犯人とされ、それからは逆にいじめられる対象として、小学校、中学校を過ごし、人間不信となった高校時代が舞台。
西宮への罪滅ぼしや、新たな仲間の出現、裏切った友達との仲直りなど、重いテーマながら、最後は希望を見出せるストーリーで、おもしろかった。
主人公からは、深い思いはなくいじめをしてしまって、その分の罰を受け、人の痛みがわかる人に育ち、そういう意味では、更生する猶予を与える必要性を感じた。
高校で友達となる永束友宏は、本当に良いやつで、重いテーマにアクセントを与えてくれたと思う。
しかし、この作品で、すごく難しく、悲しい気持ちになったのは川井みきで、彼女は自分がいじめを行っていた自覚がなく、そのため、主人公たちにいじめてたと指摘されたとき、全力で(たぶん本気でそう思って)否定し、濡れ衣を着せようとされていると周りに訴える。この悪気なく、勘違いしているところが、どうしたらよいのかわからず、モヤモヤする。これは、映画"それでもボクはやってない"でも、似たような感想。
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